月別アーカイブ: 2013年6月

製作方法(リフローによる半田付け)

部品の半田付けはリフローと言う方法で行います。作成したステンシルを使い基板にペースト状の半田を塗布し、部品を載せ、リフロー用のオーブンで加熱して半田付けします。

まず、基板のパターンに正確に合うようにステンシルを位置決めして、テープで止めます。テープは1つの辺だけで止めます。ステンシル張り合わせ

次にクリーム半田をヘラを使って塗布します。クリーム半田はできるだけ新しいものを使うようにします。古くなると半田が流れ難くなりきれいに仕上がりません。クリーム半田はDigikeyでSMD291AXの型番のものを購入して使いましたが特に問題ありませんでした。次の画像は塗布した部分を拡大したものです。ペースト塗布拡大

半田を塗布した後、部品を載せ、リフローオーブンで加熱します。リフローオーブンはebayで購入したT-962というタイプを使用していますが10cm四方程度の基板では問題なく使用できています(但し中心部と周辺部で30℃ほど温度差があるので注意が必要です)。

リフローオーブン

コネクタなどは手で半田付けして、完成したのが次の画像です。基板完成

 

 

ガンマ線: 走行データ(JR神戸線)

GeoGamma220を鞄に入れ、JRの列車で走行テストを行いました。区間はJR新大阪駅から芦屋駅の間です。

計数率は、駅構内では複雑に変化しますが、ホームに立つと一定します。列車に乗り込むとホームでの計数率の60%程度に下がります。下がる理由としては、測定器と地面の間が列車の台車分だけ離れるのと、列車の床(鉄板など)による減衰が考えられます。

新大阪から芦屋駅までの間では計数率はほぼ一定ですが、若干、西に行くに従い増加しています。途中、河川では計数率は大きく下がります。JR新大阪_芦屋画像をクリックすると拡大できます。

後日分った事ですが、新大阪駅のホームの直前に鋭いピークがあります。このピークの原因が当初分らず、駅構内の何かの施設が花崗岩でできているのだろうと思ってましたが、それは階段だと言う事が分りました。友人に教えてもらって、調べたところ確かに御影石でできた階段でした。階段の場合、斜めになっていて測定器に入るガンマ線量も床とは違って多くなるのでピークができるのだと思われます。

(小林一英)

製作方法(ステンシルの作成)

Eagleで作成した回路データから部品の半田付け用のステンシルを作成します。基板に実装する部品の多くはSMD(Surface Mount Device)で、半田付けは半田ごてでも出来ますが、半田ごてでは付けにくい部品がある事や、接着強度、製作時間などからステンシルを作成しリフローオーブンで半田付けします。

ステンシルの作成はグラフテックのシルエットカメオというカッティングプロッタを使います。カメオ

カメオ(silhouette studio)に渡すデータは、Eagleのプログラムからcream-dxf.ulp(スイッチサイエンス製)のコマンドを実行する事で作成できます。拡張子が.dxfのファイルができますので、それをカメオ(silhouette studio)に読み込ます。その際、設定としてプロパティ>デフォルト>DXFのインポート時の設定>”ページに合わせてサイズを調節する”のチェックをはずします。使用する用紙とカットのパラメータは次のとおりです。

  1. 用紙:OHPフィルム PET/ 108μm プラス IT-120PF
  2. カット回数:同じデータで3回に分けてカットする。各カットの際厚みを6、12、17と順次厚みを増す。
  3. スピード: 1に設定
  4. カッターの刃の調整: 0.12

正常にカットできると次の写真のような仕上がりになります。

ステンシル全体

ステンシル拡大この写真は0.5mmピッチの100ピンTQFPパッケージの部分で穴の形は少しいびつですが、実用上は問題ありません。

【2016.8.24 追記】
現在は、基板作成時にステンシルを1,000円程度で作成できます。0.5mmピッチのICが入っている場合などは基板メーカで作成した方がいいと思います。

(小林一英)

ガンマ線: 走行データ(新幹線:名古屋-東京)

昨年(2012年6月)にGeoGamma220とほぼ同じ構成(2インチNaI+フォトマル)の測定器で測定したデータです。測定器を新幹線の床の上に置き窓際にGPSアンテナを置いて測定しました。名古屋-東京(2012)画像をクリックすると拡大します。

下のグラフで、左端が名古屋、右端が東京です。名古屋から段々にガンマ線強度は下がり、豊橋から平塚あたりまで最低ラインが続きます。途中大きく強度が上がっているのはトンネルです。そして平塚から東京にかけて、アップダウンはありますが、強度が上がていきます。この原因としては、中央右側のスペクトル画面で、わずかですがセシウム137の部分で盛り上がりがあるのと、過去の測定データ(「日本における地表γ線の線量率分布」を見ても平塚から東で強度が強くなる傾向が見られない事から、福島の事故の影響だと推測されます。ただ、影響があると言っても強度は関西の阪神間より弱いレベルです。

(小林一英)

ガンマ線: 走行データ(新幹線:新大阪-名古屋)

昨年(2012年6月)にGeoGamma220とほぼ同じ構成(2インチNaI+フォトマル)の測定器で測定したデータです。測定器を新幹線の床の上に置き窓際にGPSアンテナを置いて測定しました。新大阪ー名古屋(2012)

下のグラフで、左端が新大阪、右端が名古屋です。4箇所で計数率が高く、右側の名古屋に近い所3箇所で計数率が低くなっています。前者はトンネル、後者は木曾三川で、原発事故の影響のない地域ではトンネルで高く、河川で低くなります。

4本のトンネルのうち大阪寄りの3本はほぼ同じ計数率で、名古屋よりの1本(関ヶ原トンネル)では他より高くなっています。これは関ヶ原トンネルの地質が他の3本のトンネルと違うためだと考えられます。

左端で階段上に変化しているのは、低い部分は新大阪駅の構内で、列車が新大阪駅の東口を過ぎた辺りから高くなります。構内で低いのは列車の位置が地面から高い位置にあるためだと考えられます。

(小林一英)