月別アーカイブ: 2013年7月

ガンマ線: バックグラウンド(道路:大阪-名張)

GeoGamma220を車に載せ、大阪市から高速道路で名張市まで走行テストを行いました。大阪市と名張市は距離が50km程度離れていますが、その間で計数率に大きな変化はありませんでした。

新大阪_名張_周波数スペクトル画像をクリックすると拡大できます。

下のグラフは計数率で1秒毎のカウント数です。中央のグラフは計数率の周波数スペクトルです。周波数スペクトルは、計数率の変化の仕方を知るために、FFTで求めたものです。周波数スペクトルには特徴的なピークはなく、システムの不具合などによる変な固有振動は無い事が分ります。また0.05Hz以上の周波数でほぼ一定のレベルとなり、計数率は雑音のような変化をしている事も分ります。

ガンマ線: ADCのDNL補正(Sliding Scale Method)

チャージアンプの出力はADコンバータ(ADC)によりデジタル化されます。使っているADCはマイクロコントローラ(STM32F207VE)内蔵の12ビットADCです。一般にADCにはDNL(微分非直線性)と呼ばれる誤差がありますが、通常の用途ではあまり問題になりません。しかし、ガンマ線のスペクトルグラフを描く用途では顕著にその誤差が現れます。次の画像はDNLの補正をする前のCS137のスペクトルです。CS137_DNL補正なし(画像をクリックすると拡大できます。以下同じ)

この画像の一部分を拡大したのが次の画像です。CS137_DNL補正なし拡大このグラフを見ると、左半分では周期的にカウント数が変動しています。右側の全吸収ピークではカウント数が大きく上下しています。これらの不具合はADCの各ビットの電圧幅が一定でない事に起因します。良くあるのは隣合うビットで一方が幅が狭く、その隣のビットは幅が広い場合です。この場合ソフトである程度補正が可能です。その補正を行ったのが次の画像です。CS137_DNLソフト補正この補正で大分良くなりましたが限界があります。補正をより完全に行うにはハード的な対策が必要で、Sliding Scale Methodという方法があります。この方法はDAコンバータ(DAC)を回路に追加し、チャージアンプの出力とDACの出力をオペアンプで足し合わせて、AD変換し、変換されたデジタル値からDACの電圧を引くという方法です。DACの出力を0から数十テャンネル変化させれば色々な電圧幅のビットでサンプリングする事になり、結果的にDNLが目立たなくなります。この方法で補正したのが次の画像です。

CS137_DNLハード補正_この補正の効果は著しく、きれいなスペクトルが得られます。